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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

これからもっと知っていくと見えなくなっていたものが見えるようになるかもしれない。
感じ始めた幸せの兆し。その幸せを私は無意識に欲しがっているようにも思えた。
それから穏やかな時間が流れ数日が経った。
今日も朝になってソラ先輩が仕事へ行き、ひとりになる時間がやってきた。
慌ただしく出て行かれた後はとても静かに感じる。
寝ていることが今の自分がすることになっているけどずっと眠っているのは難しい。
入院していた頃はずっと頭が痛かったけど今は体の調子もいい。
私でも何かできそうな気がするけど……。
ソラ先輩は今日は何時に帰って来るんだろう。
見慣れたテレビ番組を見ながらそんなことを考えていると、ピンポーンッとインターホンが鳴った。
今日は誰かが訪ねてくるなんて聞いていない……。
一体、何の用事だろう……。

