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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



「こちらの書類にサインをいただきたいんです。今後のために必要なので」


そう言われてからビジネスバッグから取り出したクリアファイルに挟まれていた書類を何枚か手渡される。


その書類には沢山の文字が書いてあって、パッと見て何のものなのか読み取ることはできなかった。



「これに名前を書けばいいんですか?」

「サインとはそういうものですが。風子様のお名前をお書きください」



ボールペンを渡されて指示された場所に名前を書いていく。


でも一番下にあった何かの用紙の記入欄には名前以外にも書く場所がいくつかあった。



「こちらには名前だけでなく、住所と生年月日もお願いします」


名前だけなら分かるけど住所と生年月日は思い出したくても思い出せない。


「えっと……、ここの住所って……」



「自分の住んでいるところも分からないんですか?……それとも惚けているんですか?先程から様子がおかしいですし」


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