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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

「手荒な真似はしたくないので風子様はこのまま大人しくついてきてください」
しかも、私をこの家から連れ出そうと容赦なく引っ張ってくる。
全力で抵抗しようとしても力の違いがあり過ぎて敵わずに体が外へと引かれていく。
社という男性がいくらソラ先輩の知り合いとはいっても勝手について行ってはいけない気がした。
「いやっ、嫌ですっ。行きたくありません」
「どうしてですか。自分の家でしょう?」
最早、話すことよりも連れて行かれないように必死で抵抗する私。
心配して来てくれる母も今日はいないし、近くで助けてくれる人もいない。
そんな中でも真っ先に頭に思い浮かんだのはソラ先輩だった。
「―――――社さん!」
偶然にも玄関から引きずり出された時に望んでいた人の声が聞こえた。
社さんもソラ先輩に呼ばれて驚いたのか私の腕を引く力が緩む。
「塑羅緒様……。お仕事はどうなされたんですか?」

