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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



「昴から社さんが来ると聞いて仕事を早く切り上げてきたんですよ」


「そうでしたか。昴様が……」


この状況を見てソラ先輩はあまりいい顔をしていない。

寧ろ、不機嫌そうだ。そこには昨晩していた悲しそうな表情はなくてどこか吹っ切れているようにも見えた。



「嫌がっている彼女を連れ出そうとするなんて一体どういうことでしょうか?俺の大切な人なんですから丁重にもてなしてくださいよ」


今度はソラ先輩に腕をグイッと強く引っ張られて社さんの側から離された。


その引かれた勢いで肩を掴まれて抱きしめられているような形になってなんだか恥ずかしくなる。


人前で体を密着させているせいなのか、勝手に連れて行かれる恐怖から解放されたばかりなのか胸の鼓動が早い。


「あのお約束のことで風子様の決意が見られないのでこのような形を取らせていただきました。
お二人のためにも辞めるのは早い方がよろしいのではないでしょうか」


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