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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

ソラ先輩の胸元に頬をつけているからよく見えないけれど、私の気持ちを確認するように視線を向けてきたような気がする。
でも何の話なのか全く分からないから適切な反応をすることができなくて抱かれたままでいた。
肩を抱き寄せている手の力はしっかりとしていて揺るぎないものを感じた。
「決意は前にしたはずです。ですが、今日は様子がおかしいのは仕方ありません。彼女は熱を出していますし、体調が悪いんですから」
入院していた時に悩まされていた頭痛もないし、どこも悪くない。
だけど、違うと首を横に振ってはいけない気がしてここは大人しくしていることにした。
「……そうでしたか。体調を崩されている時にお伺いして申し訳ございませんでした」
「いいえ。これからは俺がいる時にいらしてください。ところで今日は何か急用でもあったんですか?」
「風子様にちょっとした用事があっただけです」

