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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート



声が聞こえた瞬間、他人を警戒しているのか私を抱きしめる力が少し強くなった。


ここはタオルを温泉の中に入れるのが禁止だから私の体を隠そうとしているようにも思える。


まだ温まっていないから上がるのも勿体ないし、ここはソラ先輩に合わせて入っていることにした。


「やだ~。湯けむりが濃くて滑ったらどうしよう」


なんだか聞いたことがある声だ。でも平日だし、ここにいるはずはないから別人だろう。

そう思いながら温泉に浸かっているとその声の人が私たちの背後に近づいてくる気配がした。



「無視しないでよ!独り言を言ってるみたいじゃない!」


「ひゃあああ!?」


その人が私たちの顔を確認するように急に覗いてきて驚いた私は声を上げて両手で胸を隠す。



「なっ、那砂さん!?」


「やっほ~。風子ちゃんと彼氏くん。超偶然!アタシも秘湯に入りに来たのぉ~。イチャイチャしてたのにできなくしてごめんね~」


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