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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

私にとって不都合な話は、絶対に仕事の話ではない。……プライベートのことだ。
この前、郁哉さんを騙していたことを話して、きっぱりと振ったから根に持っているのだろうか。
それとも……、これは上司からの脅迫というもの……!?
つい最近、会社のコンプライアンス研修でこういうものは違反に値すると習ったばかりだ。
いつも真面目に仕事をしている郁哉さんがこんなことをするとは思いたくないけど……。
仕返しをされてもおかしくない。
郁哉さん以上に私は嘘をついていたのだから。
人生を振り回してしまうほどに……。
仕事が終わってからも“私にとって不都合なこと”を話すことはなく、郁哉さんと別れた。
家事をしながらもそのことが頭に浮かんできてしまって心ここにあらずといった状態になっていた。

