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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

ソラ先輩に私が仕事で悩んでいると連絡されてまた余計な争いが生まれたら困る。
郁哉さんとはもう何もないと思うけど、厄介事は勘弁だ。
「どうしようもないことで悩んでいるだけなので大丈夫です。もう解決してますので」
適当に誤魔化したけど、連絡して欲しくないことが伝わったのか、隣に腰を下ろして優しげな表情で私の顔を覗いてくる。
「……分かったよ。でも嫌なことがあったらなんでも聞くからね」
「ソラ先輩……。ありがとうございます」
不安にさせてしまいそうなことを隠しているみたいでなんだか少し心が痛む。
でも沢山悩ませて、私のことを沢山心配してくれて、自分のことが後回しになっていそうなソラ先輩にこれ以上重たいものを抱えさせるわけにはいかない。
おまけに台所に行ったと思ったら私に温かいココアを作って持ってきてくれるほど気遣ってくれている。
目の前のテーブルに置かれたマグカップを両手で包むと自分でココアを作った時よりも柔らかい温かさを感じた。
「他の飲み物の方が良かった?」

