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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「えっ……」
「紅茶と牛乳を切らしていたからミルクティーではなくてココアにしたんだけど」
「あっ、いえいえ。ココアでいいです。ありがとうございます」
薄っすらとした湯気が立ち上る温かいココアが入っているマグカップの中に視線を移す私。
まるで気持ちを切り替えた方がいいんじゃない?、っと優しく教えてくれているみたいに思えた。
電話が鳴ったり、社員の会話が聞こえてくる会社で疲れた耳が癒える静かな場所。
そんな中、愛する人の隣に座って温かい飲み物を口にして流れるのは穏やか時間だった。
私はこの時間が好きだ。
何も話さなくてもソラ先輩と分かり合えている気がする。
「久しぶりにココアを飲みましたけど、甘くて美味しいです。疲れた体に効きます」

