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愛おしいキミに極甘な林檎を
第13章 それぞれの気持ち

新商品が多めにあったけど、結局いつも食べているチョコレートを買って店の外に出た。


すると先に行ったと思っていた課長が私を待っていた。


「跡継ぎと聞いたが、乙羽の家は自営業か何かやっているのか」


この話はこれで終わりだと思っていたのに意外と食いついてきて驚く。


「祖父が不動産をたくさん持っているみたいで。家も結構広いんですけど、色々あって跡取りが誰もいないみたいなんです」


「なるほど、不動産か。……婿に行くのも面白そうだ」

「えっ……?」



「まだチャンスがあるなら塑羅緒くんには悪いが頑張らせてもらう」


「…………」


何の躊躇いもなく宣言して歩いて行く課長を見て唖然としてチョコレートが入った袋を手放してしまった。

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