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愛おしいキミに極甘な林檎を
第14章 囚われる雌

「ええ。風子さんのお爺様は今はお休みになられておりますのでそうして下さい。……お茶でも飲んでいかれますか?」
「いいえ、夜遅いので失礼します。風子がどんな人と暮らしているのか見てみたくなっただけですので」
本当に挨拶しただけでソラ先輩は帰って行った。
庭先まで見送ってから玄関に戻ると理人さんがまだ気に食わない顔をして立っていた。
「あの方は頭がいいとお聞きしていますが、一体何を考えていらっしゃるのでしょうか」
夜遅く挨拶に来たこと……?
「礼儀が正しいだけです。私にとっては理人さんの方が何を考えてるのか分かりませんからね」
「風子さんはまたそういう意地悪なことを……。でも僕は、彼を好きになれる気がしません」

