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愛おしいキミに極甘な林檎を
第14章 囚われる雌

それから数日が経った。
会社帰りに誰かに尾行される気配が未だに消えない。
でも後ろを見ると誰もいない。
嫌な気配がするパターンは決まっていて、会社から駅に行って電車を降りてからだった。
避けては帰れないその道を今日も歩いていると前方で私を待っている人がいた。
「風子ちゃん、探したわよ」
「あっ……、嵐谷さん!?」
久しぶりで一瞬名前が出てこなかったけど、嫌なことをされたからよく覚えている。
嵐谷さんは初めて会った時と変わっておらず女装をしていた。
「理人くんが着信拒否して、アタシのことを出禁にしたせいで会いたくても会えなかったのよ。
それでね、お見合いしてもらいたい男がいるの」
「嫌です……。もう婿候補は決めてありますから」
「あら、婚約したのかしら?」
「まだですけど……。もしかして、私のことをつけていたのは嵐谷さんですか?」

