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愛おしいキミに極甘な林檎を
第14章 囚われる雌

「うふふ、そうよ。なかなか会えないから理人くんの目に届かないタイミングを探偵さんに探して貰っちゃった」
「私のことは諦めてください。もうお見合いは絶対にしませんので」
後退りすると嵐谷さんに腕を掴まれてグイグイ引かれた。
見た目は女だけど体は男だから力で勝てない。
「いい人よ?一回くらい会ってもいいじゃない」
「嫌です!……放してください!」
ぶんぶんと手を振って拒否するとなんとか解くことができて、人のいる方向へ走って逃げ出すことができた。
次の日、その次の日もその道を通ると嵐谷さんや関連の男がいて声を掛けられた。
その道を歩くのを避けるために理人さんに迎えに来てもらう方法もあるけど仕事が終わる時間が合わない。
きっと今日も帰り道に嵐谷さんが待ち構えているんだろう。
仕事が終わり、どうしようか悩みながら机に伏せていると課長が話し掛けてきた。
「どうした乙羽。帰らないのか?」
「私、家に帰れなくなりました……」

