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愛おしいキミに極甘な林檎を
第15章 お試し同棲は甘い日々?

この置き手紙の隣にあるテニスボールのようなおにぎり二個が私の昼飯だろうか。歪みなく丁寧に丸まっている。
どうやら料理の腕は上達していないようだった。
それでも作ってくれたことが嬉しい……。
目頭を熱くしながら不器用な朝ご飯を食べて、急いで会社に行く準備をする。
朝の食事をしっかりと考えてくれていた中、ソファの上には服が脱ぎ捨ててあった。
それが完璧でないことを示しているように見えて私はくすっと笑って家を出た。
会社に近いおかげで始業時間にはなんとか間に合い、デスクに座っていつもどおりに仕事をする。
午後になって課長と給湯室で二人っきりになると心配そうな顔で声を掛けられた。
「今日の弁当は個性的なおにぎりを持ってきていたな。……熱でもあるのか?」

