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愛おしいキミに極甘な林檎を
第2章 変わる日常


「気を使わせてしまい申し訳ありません。でも湿布を貼って頂いたおかげで痛くないですから歩いて帰ります。お疲れ様でした!」



逃げるように課長の前から去り、足を引きずりながら外に出ると雨が降っていた。

本当は一歩踏み出すたびにズキズキと痛む。



でも他の男と二人だけになるとソラ先輩がヤキモチを妬きそうだから課長の好意を断った。


妬いて欲しいけど、不安を大きくさせてしまうからやめておく。

だから今日の仕事中にあった課長との事故も黙っておこう。



駅に向かって歩いている時、電話が掛かってきてスマホのバイブが鳴った。

ソラ先輩からだ。


『もしもし、風子?お疲れ様。今日は残業がなかったから早く仕事が終わったよ』


着信に応答すると大好きな声が聞こえてきて気が緩み、仕事モードからプライベートに切り替わる。


「うぅっ……。ソラせんぱい、今すぐ会いたい……」

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