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愛おしいキミに極甘な林檎を
第2章 変わる日常

寂しくなってつい甘えてしまう。
会ってこの背徳感がなくなるほど激しく抱いてもらいたい気分だ。
『また金曜日の夜に会いに行くから待ってて。今回は遠くに出掛けて旅行しよう。どこに行こうか?』
海に行きたいと答えて他愛のない話をしながら雨の日の街を眺めて歩いた。
足は痛いけど、声を聞いているとメッセージが届いた時よりも元気になっていく。
「――――この前買ってくれるって言ってたお土産楽しみにしてますね」
『ははっ、忘れずに買っておく。風子、愛してるよ』
「ふふっ、私も愛してます。じゃあまたメッセージで」
『うん、帰ったら送るよ。……またね』
“愛してる”っとソラ先輩に言われる度に心が落ち着く。
遠距離恋愛になってからよく言ってくれるようになった。
でも軽い言葉とは思わない。
こうやって気持ちを伝えてきてくれるおかげで、ソラ先輩が私のことを思ってくれているのが分かるから。
早く金曜日になって欲しい……。
そう思いながら家に帰ってソラ先輩からのメッセージを待つ。
……だけど、なぜなのか午後十一時を過ぎても通知音が鳴らない。

