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愛おしいキミに極甘な林檎を
第17章 犬猿の仲と秘密のキス

レジャーシートを敷いてから持ってきた弁当箱を披露する。
「すごい。いなり寿司は久しぶりに見るよ。ここまで豪華なお弁当を作るなんて風子は料理の天才だね」
「これくらい私の手に掛かればちゃっちゃと作れますよ」
見栄を張って答えたけど、本当は普段作らない物だからもたついてかなり時間が掛かった。
「この前に作ってくれたお弁当もすごく美味しかった。いい彼女がいるなって職場の人たちに羨ましがられたよ」
職場の人にも彼女がいるって隠さないでいるんだ……。
「本当ですか!でしたら、また作らせてくださいね」
心地良い日差しが差し込んで小鳥のさえずりが聞こえる中、二人で桜を見て和やかに食事をする。
どのおかずもソラ先輩に気に入ってもらえてとても嬉しかった。
弁当を食べ終えてふんわりと吹いている春風にあたっていると、左隣に人が来てバサッと敷いたレジャーシートが目に映る。
「お隣、失礼します」
「はい……――――って、えええー!?」

