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愛おしいキミに極甘な林檎を
第3章 狙われる雌

急に唇が重なって私は目を大きく見開く。
「嫌…だったか……?」
顔を離されて向けられた真剣な表情にドキッとする。
鼻筋が通っていてバランスのいい顔立ち。
右足を怪我した時の事件から課長のことを男として意識しても、あまり目を向けることはなかった。
もう……見てもいいのかな……
ううん……、ソラ先輩のことを忘れないと……――――
嫌ではないと首を横に振るともう一度キスをされた。
それから唇が触れていくにつれて酒の味が広がると共に酔ってしまいそうな甘い痺れを感じていく。
「っ…、んっ……、ふぅっ…、んっ……」
角度を変えて繰り返される口付け。
私の唇は五ヶ月の間、他の男に触れられることがなかった。
久しぶりに柔らかい感触を得て悦ぶよりも、ソラ先輩と付き合っていた頃を思い出してしまい目尻から涙が伝った。

