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愛おしいキミに極甘な林檎を
第22章 幸運と四人目の男

ふぅっと溜息をついた課長は近くにあったソファに座って指を組む。
理人さんも対面のソファに座り耳を傾けた。
「何度も振られてしまったから、漠然としか考える機会がなかったな」
「僕は逆に風子さんの方が花城さんのことを好きなのかと思っていました」
「好きだったと過去形で言われたが、塑羅緒くんがいない間にも好きと言ってもらえなかったからやはり一番はオレじゃなかったんだろうな」
「なるほど……。僕は風子さんの祖父の家で一緒に暮らしていますが、共に生活していてもあの方には敵う気がしません」
「君も乙羽のことが好きだったのか」
「否定しません……」
「お互いに完敗だな。乙羽には塑羅緒くんだけにしか見せない顔があるんだなと思い知らされた」

