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愛おしいキミに極甘な林檎を
第22章 幸運と四人目の男

切なそうな顔をしてソラ先輩が言った後、ザザーッと押し寄せる穏やかな波の音を聞いていた。
「私にとってはソラ先輩が帰ってきて、好きでいてくれたことか幸運なんでしょうけど」
「それを言ったらもう訪れたことになってしまわない?」
「えっ!?それは困ります!幸運はいくらでも欲しいです」
「風子も俺と同じく欲張りだね。……ペアリング、あれからつけてくれているんだ」
「はい。会社には付けていけませんけど、ソラ先輩との関係を続けることを選びましたから」
“in flore”っと内側に刻印の入っている指輪。
どんな困難にも負けずに二人で乗り越えていこうと言う意味を込めてソラ先輩がこの言葉を選んでくれた。
まさかその困難が運命を左右するところでやってくるとは思わなかったけど……。
「ねえ、風子は俺に買われる気はないの?」

