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愛おしいキミに極甘な林檎を
第3章 狙われる雌

「なんだ、いないんだ。……でも丁度いいか。風子ちゃん一緒に来て」
「私ですか?分かりました」
手作りクッキーが入った紙袋を課長のデスクの上に置いてから佐伯さんについて行った。
向かったのは資料室。
日が沈みかけていて室内は薄暗くなっていた。
ここに来るたびに熊の木彫り事件を思い出してしまう。
「何かの資料探しですかね?照明のスイッチってどこでしたっけ。日中しか来たことがないので」
「……つけなくていいよ。こっちにおいで」
「え……?」
腕を引かれて奥の方に連れて行かれると逃げられないように壁に追い詰められた。
対面するにしては距離がかなり近くてドキドキする。
「飲み会で言ってたこと忘れてないよ。慰めて欲しいんでしょ?」

