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愛おしいキミに極甘な林檎を
第22章 幸運と四人目の男

「いえいえ、見えますよこれは!」
「いいから放して」
後ろを確認すると私たち以外はいない。
他の人には見られることがないと思ってスカートから手を放した。
すると、ソラ先輩は顔色を変えずにパチパチと瞬きしていた。
「……うん。階段を上る時は押さえておいた方がいいね」
「やっぱり見えてるじゃないですか!」
「風子の立派なお尻を見ていいのは俺だけだからね」
どうなるか分からない未来に内心怯えながらも二人の時間を楽しく過ごす。
私を楽しませようと笑顔でいてくれるソラ先輩もきっと同じ気持ちなんだろうなと思った。
「あっ、あそこのお店、テレビでやってましたが開店したばかりなんですよね。苺のクレープ美味しそうです!……でも結構並んでますね」
「気になってるなら食べようか」
「はい。小腹が空いたので食べたいです。でもその前に御手洗に行ってきますね」
「いってらっしゃい」
トイレを済ませてから出てソラ先輩を探す。
前を歩いている姿が見えて勢い良く腕に絡みついた。
「ソラせんぱーい!お待たせしました!……ってすみません!」
近づいてよく見ると別の人で冷や汗が一気に出てくる。そして誤解されないように急いで手を放した。

