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愛おしいキミに極甘な林檎を
第22章 幸運と四人目の男

男の正体は緒方 颯太(オガタ ソウタ)、ソラ先輩のひとつ年上の従兄弟。
私の元カレであり、初めての彼氏で処女を奪った男。
浮気をされて別れを告げられても簡単に諦められないほど好きだった人……。
「ゴールデンウイークもラブラブデートとはな。大学生気分が抜けきれない奴らだ」
「むうう。またそうやって私たちのことを悪く言うんですね」
前は敬語を使わないで話していたけど、久しぶりすぎて前のように話せない。
「悪い、これじゃ僻みだな。……いつになったら塑羅緒と結婚すんだよ?」
「えっ……?」
「正月とかお盆とか親戚が集まった時に話になるんだよ。あいつは彼女がいることを隠さねえからいつも聞かれるんだ」
「そうなんですね……」
気まずくなってベビーカーの方に視線を下ろすと可愛い顔をした赤ん坊がすやすやと眠っていた。
「…………。颯太は子供ができたんですね。パパそっくり」

