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愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届

次の日からまたいつもの毎日が始まる。
職場で課長に会っても「楽しかったな」っと言われただけで思い出話を掘り下げられることはなかった。
「花城課長、応接室でお客様がお待ちです」
「オレにか……?分かった。今行く」
他の課の人に呼ばれて課長が席を外すと、ニヤニヤとした陸田さんが私の方に向かって椅子を近づけてくる。
「そういえば、課長が来週出張に行くんだって。急に決まったらしいよ。
乙羽さんは課長がいなくなるの寂しいよねぇ?」
からかってくるのはいつものことだから寂しいかどうかはスルーした。
「どこに出張なんですか?」
「北海道らしいよー。何日間なのかはまだ聞いてないけど、ここからだと飛行機か新幹線で行くことになるからすぐには帰って来ないんじゃないかな」
「へえー……」
「ねっ、寂しい?」

