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愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届


「わざわざ会社まで行ったんですか。ご足労お掛けして申し訳ありません」


「証人の欄はわしが書いておいた。風子はここの届出人のところに名前を書いて判子を押せば良い」


「判子は今は手元にないので後でいいですよね」


ボールペンを渡されたから指示された欄に自分の名前を書いた。

でも書き終えて婚姻届を祖父に渡した後に違和感に気づく。



「あれ……。おじいちゃんが行ったのは私が働いている会社……?」


「そうだ。おまえの務めている会社に連休明けに行ったのだ。
風子の好きな男は課長をしているそうだな。孫が世話になっていると挨拶してきた」


私の上司……?



「まさか、郁哉さんのことですか!?」


「他に誰がおる。そう言う話だろう」


結婚を許してもらったことに気を取られていて肝心なところをよく聞いていなかった。

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