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第23章 婚姻届

「私の彼氏ってどういう事ですか……」


「弄ばれて捨てられるだけじゃない」

「なっ…、私は弄んでなんかいません！」


「違うの？……那砂ねぇ～、会社の前まで行って風子ちゃんの彼氏くんに会っちゃった」


「えっ……」


ソラ先輩は何も言っていなかったから知らなかった。

那砂さんがわざわざ会いに行ったことを聞いて心にもやがかかる。



「そしたらすっごく怖かったの～。声を掛けてもすぐに去ろうとするし。
風子ちゃんの名前を出したらやっと足を止めてくれるくらいガードが固くって」

きっと女が苦手だから那砂さんのことも避けたかったんだろう。


「彼氏くんにも風子ちゃんに提案した事を協力してもらおうとしたら、風子に手を出すなら容赦しませんよって先に言われて睨まれちゃった。
風子ちゃんは化けの皮をかぶった男が趣味だったのねぇ」


話を聞いていたらソラ先輩がどんな態度をしていたのか想像できて安心した。

流石、私の彼氏だ。



じょうろの水がなくなると那砂さんは私の方を見て不気味な表情をした顔を向けてくる。


「結婚することができない相手と付き合い続けて何を企んでいるの？」