この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届

大きな目で覗き込まれて怖くなって後退りをする。
「…………。那砂さんこそ颯太と組んで何かしようとしてませんよね……?」
「あら?質問を質問で返してる。教えてくれないなら那砂も教えなーい」
「っ……、変なことをするのだけはやめてくださいよ」
「どうだろう。理人くんが那砂のものになればなんでもいいんだけどぉ……。……でもまだ気付いてないの?」
「えっ……、何にですか……?」
「チューリップが咲いてる~!花を摘んでおかないと」
またしても教えてくれなかった那砂さんは近くの花壇の前にしゃがみ、紫のチューリップに触れた。
ポケットから剪定ばさみを取り出して茎をちょきんっと切って私の前に差し出す。
「これ、風子ちゃんの部屋に飾ってあげるから楽しみにしててねぇ。……憐れな風子ちゃんと彼氏くんにぴったり」

