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愛おしいキミに極甘な林檎を
第3章 狙われる雌

「そう…なんですか。じゃあ……、私…行きますね……」
止められたおかげで冷静さを取り戻した私は急いでシャツを着直して資料室から飛び出した。
早足で歩きながらボタンをつけていると胸元の位置についている一つが外れてしまった。
佐伯さんから離れてもいきなりの出来事に動揺していて早い鼓動が治まらない。
今日はもう帰ろう……。
そう思ってバッグを取りに仕事場に戻ると課長がいた。
「まだ残っていたのか。もう日が落ちるのも早くなったんだし、乙羽は残業がないんだから遠慮なく定時で帰っていいんだぞ」
「あの……」
飲み会の時に介抱してくれたお礼と机の上に置いたクッキーのことを言わないと……。

