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愛おしいキミに極甘な林檎を
第3章 狙われる雌

頭ではそうしようと思っているのに非日常的なことがあったせいでカァッと顔の熱が上がる。
ふしだらになっているシャツの胸元を両手で抑えながら俯くと課長が近づいてきた。
「どうした?顔が赤いぞ。熱があるなら車で送って行くぞ」
おでこに触れようと手を伸ばされたけど、私はそれを避けるように一歩後ろへ下がった。
「だっ、大丈夫です……。お疲れ様でした!」
結局お礼を言えないまま課長の前から立ち去った。
会社から出て暗くなった帰り道を一人で歩く。
すると嫌な視線を背後から感じた。
途中まで気のせいかと思っていたけれど、その気配は家に着くまでまとわりついていた。
「もう……、何なの……」

