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愛おしいキミに極甘な林檎を
第4章 自由と秘め事

知らない男ではなく、課長でホッとする。
「昼になったし、一緒にコンビニでも行かないか?」
「はっ、はい!行きます」
陸田さんから噂を聞いているんだろうか。
気遣ってくれているのか朝から課長はいつも以上に私に話し掛けてくる。
今はそれが唯一の救いだった。
コンビニで買い物をしてから駐車場に行き、課長は自分の車の中から小さな紙袋を取り出す。
地元では有名な洋菓子店の名前が書かれているその紙袋を私に渡してくる。
「え……。なんですかこれ……」
「クッキーのお礼だ。職場では渡しにくかったから。
……可愛いラッピングがされた手作りのお菓子を男がオレの机に置くはずがないから乙羽だって分かった。格別に美味しかったぞ」

