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愛おしいキミに極甘な林檎を
第25章 艷めく声で絶頂を

辺りが本格的に暗くなってきた頃、郁哉さんが間をつめて私に寄ってきた。
不意にドキッとして体に力が入る。
「手を出すのをずっと我慢していたが、それでも乙羽とは一緒にいたいと思えた。
話していると癒されるし、いつか年を取って抱くことがなくなる時がきても楽しく暮らせそうだ」
「そう思ってくれてありがとうございます。お世辞でも嬉しいです」
「いや、本当にそう思った。出張が終わった後、乙羽のお爺さんに呼ばれているんだが……帰ったら婚姻届を書かせてもらおうと思う」
「えっ……」
俯いていた顔を上げると郁哉さんの真剣な表情が視界に入った。
私が名前を書いた婚姻届の夫のところに郁哉さんの名前が……————
「仕事での相性もいいし、……乙羽とならやっていけそうな気がした。だから、乙羽…あのな……デートに誘った本当の理由は……」

