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愛おしいキミに極甘な林檎を
第25章 艷めく声で絶頂を

ティッシュで鼻をかんでから手元に置いていたスマホを見る。
ソラ先輩……。
メッセージの返事を待っているのにまだ既読にならない。
声を聞きたくて何度か電話を掛けても出てもらえなかった。
小さな不安が少しずつ積もってきた時、郁哉さんが訪ねてきた。
「大丈夫か?……さっきは驚かせて悪かった。入ってもいいか?」
「…………」
ずずっと鼻水をすすりながらこくんと首を縦に振る。
ベッドに戻って座ると郁哉さんは私の隣に腰掛けて安堵した微笑みを見せてくれた。
でも泣き止むのを待っているのか黙ったままで少しの間、私が鼻をすする音しか聞こえなかった。

