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愛おしいキミに極甘な林檎を
第25章 艷めく声で絶頂を

たくさん泣いて心が落ち着いたのは朝になって目が覚めた時。
一晩包んでくれていた郁哉さんの腕からそっと離れてスマホを見た。
時刻だけしか変わっていない画面を見て肩を落とした。
しかも昼になっても同じ。
音信不通にされた時のことを思い出してまた怖くなってくる。
お弁当を食べてからミルクティーを買って飲み、窓を眺めてぼーっとしていたら郁哉さんが隣に来た。
「休憩時間にひとりになると元気がないな。切り替えているのは偉いが昨日のお菓子を食べた時のように笑ってくれ」
「彼氏から連絡がないんです……」
「どうした。喧嘩でもしたのか?」
「いいえ、喧嘩はしてないです。いつもなら返してくれるんですけど……」
俯くと郁哉さんに頭をポンポンと撫でられて元気づけられる。
「ライバルの肩を持つつもりはないが大丈夫だ。そんなに不安にならなくても想われている」
「…………」

