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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

「大丈夫だ。誘拐したりしない」
「えっと……、郁哉さんがそう言う人ではないと思ってます」
「どうせこれから怒られるんだろう?お爺さんの頭が冷えるまで外に出掛けているといい」
間違いなく怒鳴られる。
でもその覚悟もした上で婚姻届を破いたから当然の報いだと思っていた。
「それに塑羅緒くんにこれから会いに行くつもりだったんだろう?乗せて行くのはそこまでだから安心しろ。どこで降ろせばいい?」
婚姻届を破いた後はもっと気まずくなると思っていたけど郁哉さんは大人だった。
この優しさが郁哉さんが次に愛する人に届くことを祈って背中を見つめた。
「ありがとうございます。……ここから近くの駅の病院でお願いします」

