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愛おしいキミに極甘な林檎を
第29章 囚われの時間に濃厚な✕✕を注がれて

祖父と那砂さんがいなくなって二人っきりになってもその男は黙っていた。
フードも被ったままでマスクさえも外さない。
外を見てみると監視はこの人だけになったのか昨日止めてあった車はなかった。
隙を狙ってソラ先輩のお見舞いに行くこともできそうだ。
「あの……、立ちながら見張っているのも大変だと思いますので座ってゆっくり過ごしてください」
できれば長い昼寝でもしてもらいたいんだけど……。
「…………」
「今日は天気がいいですね。外に出られないのが残念だなぁ」
「…………」
何を話しても男は黙ったまま壁に寄り掛かっていて少し俯いていた。
でもベランダやキッチンに私が移動すると近くまでついてくる。
那砂さんが言っていた通り優秀な見張りのようだ。
何をするにも見張られ続けなければいけないのかな……。
トイレに行った時もお風呂に入った時も……。

