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愛おしいキミに極甘な林檎を
第29章 囚われの時間に濃厚な✕✕を注がれて

顔を覗き込んでソラ先輩の右手の甲に手を重ねてみると目を見開いて驚かれた。
そして少し間ができてからなんでもないような表情を向けてくる。
「風子は一体何を言ってるのかな?どこも怪我してないよ」
「力が入らないんでしょ……?」
知られたくなかったのか一瞬でソラ先輩の表情が曇った。
「…………。どうして知ってるんだよ」
「物を落としたり、左手で持ったりしていたのが気になっていましたから」
重ねている自分の手で大きな手の甲をいたわるように撫でる。
颯太に言われるまで気付けなかったのが悔しい。
もっと早く知っていれば無理をさせることもなかったのに。
「でも握力が落ちただけでなんともないんだ。動かないわけじゃないからこうやって抱き締める事だってできるし」
それでも背中に回された右腕は前よりも力が弱かった。

