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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い

「ちょっと自分の部屋に用事がありまして」
――――「真っ直ぐ行きたいところですが、一旦祖父の家に帰ってソラ先輩からもらった大切な物を持って来ようと思います。だから家で待っていてください」
昨日そう言ってまた会いに行くことを約束した。
だからソラ先輩には先に自宅に帰って休んでいてもらう。
見張りとして変装して私について来ようとしていたけど、これ以上無理をさせてはいけないから遠慮した。
一旦ソラ先輩と離れて那砂さんと共に祖父の家に行く。
自分の部屋に行こうと思って廊下を歩いていると、理人さんの弟と妹が小さな籠の中を見てすすり泣いていた。
「うわあぁん……。風子お姉ちゃーん……」
「どうしたの?」

