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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い

せめて残業にならないように仕事を片付け、定時になってから急いで病院に向かう。
早く……、一刻も早く行かないと……!
歩道の信号を待つ時間も惜しいくらい気が気じゃなかった。
息が切れるほど外を全力で走り、ようやく病室に着く。
ドキドキしながらドアを開けると颯太が椅子に座っていて私に鋭い視線を向ける。
ソラ先輩は……――――
はぁはぁっと乱れた息を整えながらベッドに視線を向けるといつものように眠っていた。
とりあえず手遅れな状態ではないようでホッとする。
「……バトンタッチの時間か。こういう時、他人はすぐに頼ってもらえねえな」
「他人じゃなくて彼女ですよ……」
「結婚しないと他人に変わりねえだろ」

