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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い

「……風子に迷惑を掛けたくなかったから」
「なんでボロボロになるまで一人で抱え込むんですか!どんなことでもしますので私に助けを求めてくださいよ。……そんなに…私は頼りないでしょうか」
助けてもらってばかりで何もしてあげることができない自分が無力で情けない。
悔しくて目が潤み、ソラ先輩の右手の甲に重ねている自分の手の指先に力が入る。
「頼りないとかそう言うことじゃないよ……。こんなカッコ悪い姿を見せたくないんだ」
「カッコ悪いなんて思いません。どんな姿でも私にとってソラ先輩は誰よりもカッコいいです」
「誰よりも、か……。体調を崩してしまってから考えたんだけど、……俺じゃなくて郁哉さんか瀬戸内さんと結婚する方が風子は苦労もしなくて幸せになれるんじゃないかと思った」
「えっ……」
どうしてそんなことを言うの……。
まさか、余命のことを知っているから……?

