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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い

不安で鼓動が速くなっていたけど、突き放さすようにも聞こえたその言葉で今度は心がズキッと痛み出して冷静さを奪っていく。
「風子はどう思う?」
穏やかだけど寂しそうな声でそう言われて唇を噛んで首を大きく横に振った。
「今まで郁哉さんか瀬戸内さんのどちらかと三人で出掛けることがあったよね。
大学生の頃は悪そうな男に引っ掛かっていたけど、今度は優しくて風子のことを思ってくれるいい人に恵まれたんだなって思ってさ。
心の奥で奪われてしまわないか不安になりながらその様子を見てた」
温泉とお花見に行った時、ゴールデンウィークに旅行に行った時も私はソラ先輩に不安な思いをさせてしまっていたんだ。
気をつけていたつもりでも結果的にそうさせてしまっていたなんて……。
「ごめんなさい……。私のせいで……」
「いや、引き寄せるのは風子の魅力のひとつだよ。
郁哉さんに風子とデートに行きたいってしつこく迫られて許してしまった時なんか、不安で狂いそうなくらい嫉妬していたよ。
前よりも心が広くなった所を見せたかったんだけど……、変わってないな」

