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愛おしいキミに極甘な林檎を
第33章 綺麗になったキミに……

「乙羽……あのな、良かったら……」
「はい?なんでしょうか課長」
「……オレも行くから会えたらいいな。久しぶりに塑羅緒くんとも話したい」
着たことのない浴衣を想像して私が胸を踊らせている時、課長の顔に愁いの色が見えた気がした。
仕事帰り、早速駅前のショッピングモールに行って浴衣を見る。
色が鮮やかなものから大人っぽいものまで色々あって選ぶのに迷ってしまう。
花火を二人で見ても浴衣を着ることはなかったからソラ先輩の反応がとても楽しみだ。
どんなものを着たら可愛いと言ってもらえるのか考えながら選ぶ。
そして家に帰ってから買ったことがバレないように急いでクローゼットへ隠した。
「ねえ、ソラ先輩。今週末にある夏祭りに行きたいです。体調が大丈夫そうでしたらデートしましょう」

