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愛おしいキミに極甘な林檎を
第5章 本物の愛を探して…

バタバタと複数の足音が私のいる方に近づいてきた。
「あら~、ちょうど約束の品が帰ってきたじゃない。さっき話したとおり頂いていくわね」
スーツを着たガタイのいい成人男性が二人に派手な格好をした女が一人。
会ったことさえなかった。
もしかして借金取り……?
「さあ、この娘を連れ出して」
女が命令するとガタイのいい男はこたつから私の体を引きずり出して外へと連れていこうとする。
なぜなのか母は止めようともせず眉を下げて見ているだけだった。
「えっ……。どういうこと!?ねえ、お母さん!答えてよ!……お母さん!」
抵抗しても二人の男の力には敵わなくて家に戻ることができない。
「いいから乗りなさい。この子を逃げないように取り押さえて」
「やだっ!離してッ!」
黒塗りのワゴン車に乗せらる前に母は泣き崩れて苦しそうな声で私に言った。
「……風子ちゃん、幸せになってね」

