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陰は陽よりも熱く
第2章 紅蓮の炎
はぁはぁと息を荒げた物の怪は、だらだらとよだれを垂らしながら七葉の履いていたズボンまで爪を立てて引き裂き、露わになった臀部に長い舌を這わす。
「なっんっ――っ!い……やぁ!やあぁ―――っっッ!!」
『…鳴く声も肌の味も女は格別というもの…ふ…喰らうまえにもっと辱めてくれよう…』
湧き上がる怒りの方が恐怖を上回った。
落ちていた太い枝に撃退用の呪をかけ、思い切り物の怪めがて振り抜いた。
「こっ…のっ!離せっ――――ッ!!」
枝は物の怪の胴に当たり、七葉の上から退かすことができた。
すかさず七葉を背中に庇い、じりじりと下がって距離をとる。
「うっ…ひぃっぐっ…そうっ…ご…あの犬っうっ…へんたいっ!」
『ぐっ…小僧……小癪な真似を…邪魔をするなっ!』
口から煙をあげだした物の怪は吼えると火焔を喉から吐き出した。
「伏せろ!七葉」
間に合わないッ!
とっさに七葉を庇って火焔に背を向けた
――……?
『……ほぅ…まだ生きておったか…老いぼれが…』
熱を感じなかったのに驚いて振り返ると物の怪の火焔をすんでのところで防いだ爺がいた。
「創護…っ!ようやった!
七葉ちゃんを早く社務所に…後は爺に任せろ!!」
「爺っ!動けるのか?!」
「なんの!陰陽師歴50年っ!これしきでくたばるわしではないぞ!」
顔に沢山切り傷を負っていながら爺は頼もしく笑った。
七葉を連れて務所に入る。
服をボロボロにされた七葉は裸同然で、身体を隠してしゃがみ込んだ。
奥の押し入れから宮司の着物を出して七葉の身体を隠すようにかける。
「大丈夫か…?噛まれなかったか?」
「ひっ…っ大丈夫っだけどっ…大丈夫じゃないぃっ…!もう黒い犬なんて一生可愛がらないっ…んだからぁっ…!」
…よかったとりあえず無事だ…
ゴオン――
社務所の外で轟音が鳴り響く。
「なっんっ――っ!い……やぁ!やあぁ―――っっッ!!」
『…鳴く声も肌の味も女は格別というもの…ふ…喰らうまえにもっと辱めてくれよう…』
湧き上がる怒りの方が恐怖を上回った。
落ちていた太い枝に撃退用の呪をかけ、思い切り物の怪めがて振り抜いた。
「こっ…のっ!離せっ――――ッ!!」
枝は物の怪の胴に当たり、七葉の上から退かすことができた。
すかさず七葉を背中に庇い、じりじりと下がって距離をとる。
「うっ…ひぃっぐっ…そうっ…ご…あの犬っうっ…へんたいっ!」
『ぐっ…小僧……小癪な真似を…邪魔をするなっ!』
口から煙をあげだした物の怪は吼えると火焔を喉から吐き出した。
「伏せろ!七葉」
間に合わないッ!
とっさに七葉を庇って火焔に背を向けた
――……?
『……ほぅ…まだ生きておったか…老いぼれが…』
熱を感じなかったのに驚いて振り返ると物の怪の火焔をすんでのところで防いだ爺がいた。
「創護…っ!ようやった!
七葉ちゃんを早く社務所に…後は爺に任せろ!!」
「爺っ!動けるのか?!」
「なんの!陰陽師歴50年っ!これしきでくたばるわしではないぞ!」
顔に沢山切り傷を負っていながら爺は頼もしく笑った。
七葉を連れて務所に入る。
服をボロボロにされた七葉は裸同然で、身体を隠してしゃがみ込んだ。
奥の押し入れから宮司の着物を出して七葉の身体を隠すようにかける。
「大丈夫か…?噛まれなかったか?」
「ひっ…っ大丈夫っだけどっ…大丈夫じゃないぃっ…!もう黒い犬なんて一生可愛がらないっ…んだからぁっ…!」
…よかったとりあえず無事だ…
ゴオン――
社務所の外で轟音が鳴り響く。