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陰は陽よりも熱く
第2章 紅蓮の炎
本殿の外の砂利を踏みしめながら思いを巡らす。



ほんの少し前
ここで七葉が襲われて俺は…



七葉の服が引き裂かれていても足が竦んで動けずにいたんだ…。



俺が最初から動けたら、あいつに忘却の呪なんかかけずいられたかもしれないのに…っ



砂利を掴んで握りしめる手から血の気が失せる。



今俺が思いつくことはこれしかないから



自宅の玄関がガラガラと音を立てて開く。


寝ぼけた表情の七葉がショートボブの髪に寝ぐせをつけたまま出てきた。



「あ…創護…ふぁぁ…なんか眠…何してたんだっけ…?
遊びに来たのは…覚えてるんだけど…」



掴んでいた砂利を離して手のひらの砂を叩き落としながら振り返る。



出来るだけ
冷淡に


「知るか、お前が勝手に家まで上がり込んで寝てるんだろ」



「あたし…だって…っ…よくわかんないよっ!」



俺の態度の冷たさに気づいて戸惑いの表情を浮かべる七葉



更に追い討ちをかける

「…俺もうお前と仲良く遊んでる自分がわかんなくなってきた…
もうじき中学生だってのに、未だに幼なじみの女子と遊んでんのも痛いしな…。」




「なに…どういう意味?」



「お前…もう俺んち来るのやめろ」


「なんっ…っ!」


「お前の遊び場にここを使うな…遊びたいなら、他を探せ。
俺はもうお前につきあうのはこりごりだ…っ!」





見開いた七葉の大きな瞳が潤んで涙が滲む。


こいつの涙に俺はいつだって弱かった…勝ち気な癖に泣くと甘えたようになるところにも


「なんで…っそんな…っこと言うのっ…っ」



しゃくりあげる七葉の顔を見ないように背を向ける。



完全に切り放す…
俺がもっと強くなるまで…



拳を爪が手のひらに食い込むほどに握り七葉を振り返る。


「迷惑だからに決まってるだろ…!俺に近寄るな、分かったなっ!」




言い切ったところで泣きじゃくった七葉は石段を駆け下りて、逃げるように帰っていった。



これでいい―――






小学生の浅はかな考えだったかもしれない…でも当時の俺はそれが唯一の方法だ と思っていた―――




3年と少しの間、ありとあらゆる陰陽道の古書を調べ、爺に本格的に弟子入りした俺はいくらか強くなった…


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