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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
澱んだ空気が辺りを暗く見せている。
集団で入り込んだな―――
結界の穴を塞ぎながらここまできたというのに
「厄介な奴だっ…全く…」
小走り気味にもと来た道をもどろうと脚を早めると後ろから腕を引かれた。
七葉の手ががっちりと腕に絡みついて、見れば必死の形相だ。
「っ…!ちょっと待ってよ…っなんかヤバいのがそっちに居るってこと…っ?!」
少しは状況を把握出来るようになってきたのか…
振り解こうにもなかなかしつこく離れない七葉に呆れつつ、ゆっくりと唇を開く
「そうだ…お前が弱ってる結界のとこくぐってきたおかげでな…」
「何であたしが関係するのよっ…!」
訳の解らないことだらけで苛立ちを隠せないようだった。
それでも視線を真っ直ぐ創護に向けて食い下がる。
「自覚がないなら話しても無意味だ…どけ」
唇を噛みながら冷たく突き放そうとする幼なじみを睨み付けるその瞳には悔しさで涙が滲み出そうに潤んでいた。
―――っ…よせ
お前のその顔は見たくない…
思わず目を逸らして眉間に皺を刻む。
腕を掴んだまま切羽詰まった声で七葉が呟いた。
「…っ――あたしも……いく」
「――っ…馬鹿を言うなっ…!」
「学校にいくんでしょ!?
なんか変な生き物倒しにっ…!蓮実がまだ学校にいるかもしれないのっ」
こ…の…っ阿呆が…!
倒れんばかりの強さで掴まれた腕を強引に振り払った。払われた拍子にコンクリート塀に背中をぶつけた七葉の肩を掴みそのまま塀に押し付ける。
一瞬怯えたように瞳が揺れ動いた。
「――お前の友だちなんぞ知ったことか…っ!
…誰のために結界を張張り巡らせてきたと思ってる」
俺は……っ――
息を吐き出し吸い込んでみても
苦しい
潤む瞳に見つめ返されるのも
心臓が早鐘のように打つのも
打ち明けずに居ることも
冷たくしかできない歯がゆさも
堪えながら顔を歪ませた。
至近距離にある色づきのいい七葉の唇が動いた。
「っ…創護……?」
何かスッゴく…ちかいんですけど……っ…
歪んで苦しそうな表情の創護の瞳は熱を帯びて潤んでいる
集団で入り込んだな―――
結界の穴を塞ぎながらここまできたというのに
「厄介な奴だっ…全く…」
小走り気味にもと来た道をもどろうと脚を早めると後ろから腕を引かれた。
七葉の手ががっちりと腕に絡みついて、見れば必死の形相だ。
「っ…!ちょっと待ってよ…っなんかヤバいのがそっちに居るってこと…っ?!」
少しは状況を把握出来るようになってきたのか…
振り解こうにもなかなかしつこく離れない七葉に呆れつつ、ゆっくりと唇を開く
「そうだ…お前が弱ってる結界のとこくぐってきたおかげでな…」
「何であたしが関係するのよっ…!」
訳の解らないことだらけで苛立ちを隠せないようだった。
それでも視線を真っ直ぐ創護に向けて食い下がる。
「自覚がないなら話しても無意味だ…どけ」
唇を噛みながら冷たく突き放そうとする幼なじみを睨み付けるその瞳には悔しさで涙が滲み出そうに潤んでいた。
―――っ…よせ
お前のその顔は見たくない…
思わず目を逸らして眉間に皺を刻む。
腕を掴んだまま切羽詰まった声で七葉が呟いた。
「…っ――あたしも……いく」
「――っ…馬鹿を言うなっ…!」
「学校にいくんでしょ!?
なんか変な生き物倒しにっ…!蓮実がまだ学校にいるかもしれないのっ」
こ…の…っ阿呆が…!
倒れんばかりの強さで掴まれた腕を強引に振り払った。払われた拍子にコンクリート塀に背中をぶつけた七葉の肩を掴みそのまま塀に押し付ける。
一瞬怯えたように瞳が揺れ動いた。
「――お前の友だちなんぞ知ったことか…っ!
…誰のために結界を張張り巡らせてきたと思ってる」
俺は……っ――
息を吐き出し吸い込んでみても
苦しい
潤む瞳に見つめ返されるのも
心臓が早鐘のように打つのも
打ち明けずに居ることも
冷たくしかできない歯がゆさも
堪えながら顔を歪ませた。
至近距離にある色づきのいい七葉の唇が動いた。
「っ…創護……?」
何かスッゴく…ちかいんですけど……っ…
歪んで苦しそうな表情の創護の瞳は熱を帯びて潤んでいる