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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
頬が熱い、鼓動が早まる
吐息がかかるほどこんなに近くで創護に正面から見られるのは初めてだった。
両肩を掴む手の力は強くじわりと体温が上がっているのが伝わってくる。
突然置かれたこの状況で七葉の脳裏に朝見た夢の内容がよぎる。
かっと一気に紅潮する肌の色に気づき、迫る態勢の創護は息を飲んだ。
このまま――眺めていようか…
他の何者にも渡さず誰の目にも触れさせず腕の中で恥じらうのをいつまでも見ていたくなる…
やぁ…こんなの…っ
眉根を寄せて困惑する
身体の奥から何かが湧いて出るような感覚に甘い吐息が漏れる。
熱を帯びた創護の瞳は艶めかしく、舐めるように染まる七葉の肌を視姦する。
生々しく夢で抱きしめられた感覚が浮かんできていたたまれない。
僅かに創護の唇が動いただけでびくりと肩が震えた。
二人の顔がさらに近づき七葉の耳元で創護が囁いた。
「…七葉……」
息が、耳をくすぐる重低音が中心まで響いて膝の力が抜ける。
「…っ…」
…なんか変な気持ちになるからっ
本当に――この声は反則だ
「…七葉……選べ…
二度と俺から離れないか……、俺の存在を忘れて暮らすか…」
熱く吐息を絞り出しながら伝えるその声を耳元に受けて目を見開いた。
「…っ…なんで…」
「どっちだ…」
身体からジリジリと昇る熱に堪えながら訴えかける創護にはいつもの落ち着き払った冷静さは見られない。
七葉は、子どものころからどこか大人びて寂しそうにしているこの幼馴染みが、実はこっそり泣いているんじゃないかと心配してばかりいた。
泣くなら側にいるのに―――……
忘れて暮らせるわけがない
自分の気持ちは自分が一番わかっていた
「…………離さないで…」
――…っ
掴んでいた肩を引き寄せて自分の腕の中にかき抱く。
甘くため息が漏れた
柔らかな肌の温もり髪の薫りすべてが愛おしい
熱い抱擁を受けて頭の中は沸騰していた
押し当てられた創護の胸は鍛えられていて意外に逞しい。
伝わって来る鼓動が自分に負けないくらい早いのに気づいた。
吐息がかかるほどこんなに近くで創護に正面から見られるのは初めてだった。
両肩を掴む手の力は強くじわりと体温が上がっているのが伝わってくる。
突然置かれたこの状況で七葉の脳裏に朝見た夢の内容がよぎる。
かっと一気に紅潮する肌の色に気づき、迫る態勢の創護は息を飲んだ。
このまま――眺めていようか…
他の何者にも渡さず誰の目にも触れさせず腕の中で恥じらうのをいつまでも見ていたくなる…
やぁ…こんなの…っ
眉根を寄せて困惑する
身体の奥から何かが湧いて出るような感覚に甘い吐息が漏れる。
熱を帯びた創護の瞳は艶めかしく、舐めるように染まる七葉の肌を視姦する。
生々しく夢で抱きしめられた感覚が浮かんできていたたまれない。
僅かに創護の唇が動いただけでびくりと肩が震えた。
二人の顔がさらに近づき七葉の耳元で創護が囁いた。
「…七葉……」
息が、耳をくすぐる重低音が中心まで響いて膝の力が抜ける。
「…っ…」
…なんか変な気持ちになるからっ
本当に――この声は反則だ
「…七葉……選べ…
二度と俺から離れないか……、俺の存在を忘れて暮らすか…」
熱く吐息を絞り出しながら伝えるその声を耳元に受けて目を見開いた。
「…っ…なんで…」
「どっちだ…」
身体からジリジリと昇る熱に堪えながら訴えかける創護にはいつもの落ち着き払った冷静さは見られない。
七葉は、子どものころからどこか大人びて寂しそうにしているこの幼馴染みが、実はこっそり泣いているんじゃないかと心配してばかりいた。
泣くなら側にいるのに―――……
忘れて暮らせるわけがない
自分の気持ちは自分が一番わかっていた
「…………離さないで…」
――…っ
掴んでいた肩を引き寄せて自分の腕の中にかき抱く。
甘くため息が漏れた
柔らかな肌の温もり髪の薫りすべてが愛おしい
熱い抱擁を受けて頭の中は沸騰していた
押し当てられた創護の胸は鍛えられていて意外に逞しい。
伝わって来る鼓動が自分に負けないくらい早いのに気づいた。