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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
落ちないように首に腕を回すと、頷いた創護は膝をぐっと沈ませて地面を蹴り飛び上がる。
普通の脚力では有り得ないほど高く飛び上がる創護に七葉はパニックに陥った。
ぎゃ~~~っ!!
口の中では絶叫が木霊するが、声を出したら呪が消えてしまう
引き結んだ唇が開かないように必死に噛んでこらえているおかげで寄り目気味になっている。
ぶ……っさいく…っ
あまりの形相に思わず口元をふやりと緩ませて吹き出しそうになるのを目を逸らしてこらえた。
緊迫した状況にもかかわらず七葉がいるだけで楽しんでいる自分に正直戸惑っていた。
高く跳躍しながら邪魅の注意を惹くと校舎の屋上に降り立った。
抱き上げていた七葉を下ろし背中に回らせ、蠢く影に睨みをきかせた。
自分たちの広げた狩り場に外から侵入してきた人間を眺めようと蜘蛛のように邪魅が集まりだした。
『なんだ…おまえ…人間か…?』
他の邪魅よりひとまわり大きい一匹が問いかける。
「ああ…―――お前等みたいな奴らには嫌われるタイプのな」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべると取り出した紙人形に息を吹きかける。
『麟』
麟(りん)と創護が呼びかけると紙人形が光り輝いて膨張し、細かな金糸を振りまく動物が現れた。手足になびく毛も金色に輝いている。
馬に似た蹄を鳴らしながら邪魅達の周りに素早く金糸を張り巡らしていく。
『…っ…!…おのれ陰陽師か!!忌々しい化け狐の末裔めっ』
あっという間に包囲された邪魅たちが慌てだした。
「血の記憶さえ疑わしい祖先の悪口を俺に言っても無意味だ…。
文句があるなら直にあの世で言え」
普通の脚力では有り得ないほど高く飛び上がる創護に七葉はパニックに陥った。
ぎゃ~~~っ!!
口の中では絶叫が木霊するが、声を出したら呪が消えてしまう
引き結んだ唇が開かないように必死に噛んでこらえているおかげで寄り目気味になっている。
ぶ……っさいく…っ
あまりの形相に思わず口元をふやりと緩ませて吹き出しそうになるのを目を逸らしてこらえた。
緊迫した状況にもかかわらず七葉がいるだけで楽しんでいる自分に正直戸惑っていた。
高く跳躍しながら邪魅の注意を惹くと校舎の屋上に降り立った。
抱き上げていた七葉を下ろし背中に回らせ、蠢く影に睨みをきかせた。
自分たちの広げた狩り場に外から侵入してきた人間を眺めようと蜘蛛のように邪魅が集まりだした。
『なんだ…おまえ…人間か…?』
他の邪魅よりひとまわり大きい一匹が問いかける。
「ああ…―――お前等みたいな奴らには嫌われるタイプのな」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべると取り出した紙人形に息を吹きかける。
『麟』
麟(りん)と創護が呼びかけると紙人形が光り輝いて膨張し、細かな金糸を振りまく動物が現れた。手足になびく毛も金色に輝いている。
馬に似た蹄を鳴らしながら邪魅達の周りに素早く金糸を張り巡らしていく。
『…っ…!…おのれ陰陽師か!!忌々しい化け狐の末裔めっ』
あっという間に包囲された邪魅たちが慌てだした。
「血の記憶さえ疑わしい祖先の悪口を俺に言っても無意味だ…。
文句があるなら直にあの世で言え」