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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
辺りの暗さが日没して間もない淡い夕闇色に戻る。
「…よかったぁ……――これでみんな正気に戻る……よね」
安堵の溜め息を漏らした七葉に創護は険しい顔を向ける。
「……だったら良かったんだがな…」
人の欲望は……
一度堰を切ってしまうと、そう易々と無かったことには出来ない
「――…っじゃあ……!」
距離が離れて聞こえないだけで校庭での狂乱の宴も、教頭の身勝手な暴行も邪魅の消滅とは関係無く続いていた。
止められないの…?そんな…―――っ!
自分は創護に守られながら屋上にただ居るだけで…
――悔しい――
屋上のフェンスを掴んでいた七葉の指先がギッと金網を軋ませる。
唇を震わせて悔し涙を瞳いっぱいに溜めた七葉は創護に向き直る。
「…あたし……やっぱりだめ、守られてるだけなんて…
性に合わない!!」
言い終わらないうちに駆け出す
創護の伸ばした手も、中学時代陸上で慣らした駿足のスタートダッシュには間に合わない。
勢いよく屋上の鉄のドアを開け放ち、3階のフロアへと続く階段を落ちるように駆け降りる
「ば――――……っ七葉!!」
こいつ…完全にキレてる―――
後を追いながら瞠目する。
あたしには創護のような不思議な力はない
在るのはこの丈夫な手足だけ
物の怪の仕業だろうが何だろうが…っ
「赦せないものは赦せないの―――っ!!」
廊下を走り、悲鳴と荒い息づかいの聞こえた職員室に飛び込んだ
泣きながら半裸にされた家庭科のマヤ先生と、そこにへばりついている教頭を見て
視界がぐらりと怒りで揺れる。
何を云うより先に飛び上がっていた
ゴッ――
鈍い音と共に教頭の後頭部に七葉の跳び蹴りが入る
教頭は抱え挙げていたマヤ先生の体を離し職員室のゴミ箱に顔を突っ込んだ状態で気絶した
「…よかったぁ……――これでみんな正気に戻る……よね」
安堵の溜め息を漏らした七葉に創護は険しい顔を向ける。
「……だったら良かったんだがな…」
人の欲望は……
一度堰を切ってしまうと、そう易々と無かったことには出来ない
「――…っじゃあ……!」
距離が離れて聞こえないだけで校庭での狂乱の宴も、教頭の身勝手な暴行も邪魅の消滅とは関係無く続いていた。
止められないの…?そんな…―――っ!
自分は創護に守られながら屋上にただ居るだけで…
――悔しい――
屋上のフェンスを掴んでいた七葉の指先がギッと金網を軋ませる。
唇を震わせて悔し涙を瞳いっぱいに溜めた七葉は創護に向き直る。
「…あたし……やっぱりだめ、守られてるだけなんて…
性に合わない!!」
言い終わらないうちに駆け出す
創護の伸ばした手も、中学時代陸上で慣らした駿足のスタートダッシュには間に合わない。
勢いよく屋上の鉄のドアを開け放ち、3階のフロアへと続く階段を落ちるように駆け降りる
「ば――――……っ七葉!!」
こいつ…完全にキレてる―――
後を追いながら瞠目する。
あたしには創護のような不思議な力はない
在るのはこの丈夫な手足だけ
物の怪の仕業だろうが何だろうが…っ
「赦せないものは赦せないの―――っ!!」
廊下を走り、悲鳴と荒い息づかいの聞こえた職員室に飛び込んだ
泣きながら半裸にされた家庭科のマヤ先生と、そこにへばりついている教頭を見て
視界がぐらりと怒りで揺れる。
何を云うより先に飛び上がっていた
ゴッ――
鈍い音と共に教頭の後頭部に七葉の跳び蹴りが入る
教頭は抱え挙げていたマヤ先生の体を離し職員室のゴミ箱に顔を突っ込んだ状態で気絶した