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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
手の甲の文字が焼け付くようにジリジリと熱を帯びてきた。
熱さに比例して身を縮めていた梓先輩がゆっくりとその強張りを解いて目を閉じていく。
七葉は先輩の苦しみを取り除く手伝いが出来ていることを察してうろたえるのを止めた。
覚悟を決めた表情の七葉に頷いて創護も集中する。
これは…一体……
目の前で起きていることに全くついていけない
横にいる蓮実も同じ思いなのだろうか…
時折視線を合わせては恐々と俺の服の端を摘まんでいた…
どうしたらいいか俺にもさっぱり解らない
目の前でにたりと笑っていたあの赤茶色の鬼が途端にガサガサと身体を反転させてどこかに失せ、見えなくなった。
蓮実を守りながら学校から出る方法を必死で考えながら夢中で校舎から飛び出した
教師らしいことなんて何一つ考えていなかった俺に
“先輩がっ…助けてあげたいのっ…!”
涙目でそう言って引き止めてくれたのは他ならぬ蓮実だった
そしてなけなしの教師のプライドで叫んだところへ、榊と門倉が
「飛んで」きた
目の前では3年の柏木が魔法のようなものを掛けられている…
としか見えなかった
光る螺旋の渦が3人を包み、次第に収束していった。
教師でもめったに聞くことのない門倉の声が響いた。
熱さに比例して身を縮めていた梓先輩がゆっくりとその強張りを解いて目を閉じていく。
七葉は先輩の苦しみを取り除く手伝いが出来ていることを察してうろたえるのを止めた。
覚悟を決めた表情の七葉に頷いて創護も集中する。
これは…一体……
目の前で起きていることに全くついていけない
横にいる蓮実も同じ思いなのだろうか…
時折視線を合わせては恐々と俺の服の端を摘まんでいた…
どうしたらいいか俺にもさっぱり解らない
目の前でにたりと笑っていたあの赤茶色の鬼が途端にガサガサと身体を反転させてどこかに失せ、見えなくなった。
蓮実を守りながら学校から出る方法を必死で考えながら夢中で校舎から飛び出した
教師らしいことなんて何一つ考えていなかった俺に
“先輩がっ…助けてあげたいのっ…!”
涙目でそう言って引き止めてくれたのは他ならぬ蓮実だった
そしてなけなしの教師のプライドで叫んだところへ、榊と門倉が
「飛んで」きた
目の前では3年の柏木が魔法のようなものを掛けられている…
としか見えなかった
光る螺旋の渦が3人を包み、次第に収束していった。
教師でもめったに聞くことのない門倉の声が響いた。