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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
「気絶……?……私…が……?
―――………っ痛」


七葉の話を聞いてもピンとこない様子の梓は急によみがえった痛みに顔をしかめた。



男子生徒から逃げ惑ううちに肘を擦りむいていたらしいが本人の脳内にその前後の記憶はもはやない。



「覚えて無いんですね」





確認するかのように創護が言うと目を見開いた梓はこくりと頷いた。





記憶を――――…っ!……




関と蓮実小さく息をのみ、先ほどまでの魔法のような儀式の真意をようやく理解した。



拒絶反応が消えていたことといい、記憶の一部を消したと考えれば梓の様子の変化にも合点がいく。



とはいえ―――邪魅の出現からの非現実的な出来事の連続についていけない関は声を発することもできずに生唾を飲み込んだ。






倒れている男子生徒たちはどうなのだろうか……彼らもまた怪しげな赤茶色の鬼にそそのかされていたのに違いない筈だが、理性の箍が完全に外れたなら自分のしたことは覚えているのか


鬼の囁きが頭の中に再び響いたような錯覚に陥り身震いした。




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